【7日目】
先週の今頃、わたしはそろそろお酒を飲むための買い物をしていたかもしれない。
毎日定量の、それも多量の、度数の高いチューハイと、それを薄めるための炭酸水。
薄めたかったのは、罪悪感だったように思う。なぜなら、最終的に飲む量はほとんど変わらなかったから。
お酒を飲んで音楽を聴くのが好きだったけれど、いつの間にか音楽を聴くのをやめ、お酒だけが残った。
同じように、美味しいおつまみを作るのをやめ、お酒だけが残った。
音楽は鬱陶しくなったし、おつまみは必要なくなってしまった。
断酒して今日で7日目。
音楽を聴いたのなんて、何年ぶりだろう。
好きだったことを全部お酒でまかなっていったように思う。
だから、お酒を飲まなくなって余った大量の時間の使い道がまだ思い浮かばないし、それを考えることがとても億劫に感じる。
タンスをひっくり返して、ときめく服だけを詰め込んでいく作業も、そういえば始めるまでに大分時間がかかった。
とりあえず、詰め込むとするならば1つ目は、ゆっくりと眠ること。気持ちよく目覚めることがいいな。
昨日辺りからようやく、酷い寝汗をかかなくなったし、体が熱を持つようなことも少なくなった。
飲酒欲求も2日目のような衝動的なものは今のところない。
ただ、それは今わたしがアルコールの問題と正面からきちんと向き合っているからで、きっと目を逸らした瞬間隣にいる。
わたしは、酩酊するためにお酒を飲みたかった。
それは、突き詰めていけば、自分の本来向き合わなければいけない問題をごまかす為だった。
それを表面化させるために、まずアルコールの問題が出てきた。
本来の問題と手を繋いで、ずるずると引っ張り出して、逃げるんじゃないぞ、と連れてきた。
そんな風に思う。