久しぶりの飲酒欲求
自分からお酒には一歩も近づかないようにしていたけれど、お仕事の関係で年に何度か酒類の発注をすることがある。
大量の発注は業者さんに頼むものの、本数が少ない種類はこちらで準備をしなくてはならない。
今日その下見にて、ふわっと飲酒欲求を感じた。足元が少し浮くような、そんな感覚。
何故か飲酒欲求を感じたことにほんの少しだけ安堵する自分がいた。おそらくわたしは断酒への意思とお酒への恐怖感がかなり強かったので、今までほとんど飲酒欲求を感じずにノンアルコールライフを送ることが出来ていたからだ。
だから、もし実際に飲酒欲求が湧いて来てしまった時に、きちんと対応出来るかが心配だった。
今日、飲酒欲求が湧いた時にわたしが取った行動は、自分への問いかけだった。
じゃあ一本飲む?
この問いかけに、内なるわたしはこう答えた。
一本で満足出来る訳ないでしょう。 泥酔して記憶を無くして眠るまで飲みたいんだから。 それどころか、1日だけ飲むってことも出来ない。必ず毎日飲むようになるよ。体がガタガタになるまで。心がボロボロになるまで。おそらく死を宣告されるまで。死にたくない。
だから、飲まない。
最後の飲まないは2人のわたしがハモった。 理性側のわたしでも、本能側のわたしでも「飲まない」という答えを出すことが出来た。
飲酒欲求はわたしを動かさない。 なぜなら、理性からも本能からも必要とされていないからだ。それならば、飲酒欲求とはわたしから完全に離れた存在で、ただの嵐と同じだ。わたしはそれが過ぎ去るまでじっと身を隠していればいい。
深呼吸を3回。
最後は二日酔いの気持ち悪さを思い出し、頭の中で飲酒の一連の流れを終えた。
ちょっとだけ断酒に自信がつく1日だった。 そしてやっぱり、出来るならお酒に近づくこと自体避けた方がいい。なぜならわたしの世界には存在しないものだから。